You and Your Research: 研究にどう取り組むべきか
新年度のこの時期になるとハミング符号等で有名な Richard Hamming の You and Your Research (日本語訳は今津さんの『研究にどう取り組むべきか』) を思い出します。そんなタイミングでたまたま Paul Graham が「You and Your Research を私は毎月読むべきだ」と書いていました。なので今回はそれを記事に一つ起こしたいと思います。
You and Your Research は多くの分野に適用できる、と Hamming は言いますが、特にスタートアップに通じる部分も多々あるように思います。たとえば:
- 成功した科学者に共通する「勇気」
- なぜ成功した科学者は二度目の成功をつかめないのか(二回目の創業症候群)
- 曖昧さに耐えること
- 「自分の分野で重要な問題は何か」
- 大いなる考察の時間
- 問題の見え方を変えること
- 知識と生産性は複利計算で増えること
- ドアを開けておく
- チャンスの掴み方
- 仕事を売り込む重要性(セールスの重要性)
- 組織に反抗するのではなく、組織を活用すること
などなどです。研究もスタートアップも両者とも、前人未到の新しい領域を開拓しようとしているのですから、似ている部分が多いのは当然なのかもしれません。
だからこそ是非新年度を迎えたこの時期に、スタートアップの方に、研究を始める学生の方に、そして新社会人の方にも是非 You and Your Research をお勧めしたいと思います。是非一度読んでみてください。
まとめるとこうです。なぜこれほど多くの人々が優れた頭脳を持ちつつも成功しないかというと、重要な問題に取り組まず、問題にのめり込まず、困難な問題をやさしいが重要な問題に転換しようとせず、そういったことをしない言い訳を自分自身にし続けているからです。そういった人たちは、運が物事を決めると言い続けます。皆さんには、いかに簡単かを説明しました。その上、どうやって改革するかも説明しました。ですから、それらを実践して偉大な科学者になってください。