「自ら環境を創り出し、環境によって自らを変えよ」―― 成功する起業家は居場所を選ぶ

これから起業したい方や、チームのパフォーマンスを出すための環境づくりをしているマネージャーの皆さん向けに、環境デザインに関する本を書きました。2019 年 4 月 11 日発売です。新年度の開けたこのタイミングで是非ご予約ください。

居場所が起業家を作る

人間が変わる方法は3つしかない。

1つ目は時間配分を変えること。

2つ目は住む場所を変えること。

3つ目は付き合う人を変えること

と言っていますが、後者二つは「環境を変えること」を指しています。

また『大衆の反逆』で有名なオルテガは別の著書で、

私は、私と私の環境である

と書いています。私は、私自身だけでなく、私の周りの環境によって形作られるということです。

これらの言葉にあるように、私たちは不可避的に周りの人々や環境から影響を受けます。

であれば、私たちは自分の周りの環境をうまく選ぶことで、自分自身を成長させることができ、それが最終的に起業の成功へとつながっていくのではないでしょうか。

実際、多くの起業家の共通点として、

  • 起業する前から優れた環境(場所や人)に身を置く
  • そうした居場所を自ら作る
  • 起業に関連する訓練をする
  • 自分の学びのプロセスを作る

といったことをしているように思います。たとえば海外の大学のフラタニティであったり、東京大学周辺のラボカフェであり、WHILL の皆さんのサニーサイドガレージであったり、山田進太郎さんのA/D(少し前の記事)だったり、起業の前後に場所づくりをしてきた起業家は多くいらっしゃいます。

こうした事例を鑑みると、私たちが居場所を作ると同時に、居場所が私たちを形作る面も大きいのではないかと思います。

リクルート創業者の江副氏の「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉を借りれば、つまり

自ら環境を創り出し、環境によって自らを変えよ

とも言えるのではないでしょうか。

だから私たちが一歩踏み出すために、まず環境を変えることから始めてみませんか、というようなことを書いている本です。

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人文社会科学のエビデンスを活用する

たとえば「起業するなら一旦スタートアップに転職してみれば」ということが言われます。これも環境を変える一つの提案です。

それだけでも一つのやり方なのですが、本書では「100人以下の企業で働いたことのある科学者やエンジニアのほうが起業しやすくて、起業後のパフォーマンスも良い傾向にあるというデータがあるので、一旦スタートアップに転職してみれば」という風に、理由をつけて提案するようなことをしています。

(日本での類似の調査は「新規開業企業はどのような母体企業から生まれやすいのか−母体企業の属性と従業員の開業および開業後のパフォーマンスとの関係を探る」など)

たとえば他にも以下のようなことを紹介しています。

  • オープンオフィスは生産性と創造性を落とす
  • 25% の人を変えるとムーブメントが起こる
  • オープンイノベーションは強いつながりから
  • アントレプレナーシップは練習・実践・訓練(プラクティス)

これらはスタートアップのみならず、「周囲の創造性や生産性を上げるには」という視点で、大企業のマネージャーの皆さんにもご活用いただけるのではないかと思います。

生産性と創造性が自然と高まる環境を作る

これからの日本ではスタートアップが多数生まれてくることが期待されています。そのためには挑戦者をまず増やす必要があります。それに並行して、Paul Graham のような、スタートアップを育成できる優れた教師も 100 人以上必要になってくるでしょう。

そのためには、個々のエンジェル投資家や起業家のセンスだけではなく、再現性のある教育手法(かつ改善可能な教育手法)を培っていく道筋も必要ではないかと考えています。そこで本書では環境を作ることの重要性や、そうした環境を作り育てていくためのコツを、社会科学や教育の知見を用いながら解説を行います。

こうした社会科学における理論やエビデンスを知ることで、より再現性の高い施策が打てたり、あるいは考えるヒントを得られたりするはずです。

社員の居場所(会社)や社会を作る起業家の皆さんへ

また起業家の皆さんが変えていこうとする「社会」も一つの環境です。社会を良くすることが、自分自身を良くすることに繋がっていくのでは、という点にも少し書いています。

なお、最終的には 400ページを越えましたが、1,944 円 (税込) と分量にしては安めの値段に抑えていただけています。GW 中の読書として、また春からマネージャーになった方々の環境づくりのヒントとして、ご活用いただけますと幸いです。

紙面の都合上、一部の概念についてはさっと紹介してしまうだけにとどまったりしています。そのため本書の補足ページをこちらに用意しています。出版後分かった間違い等も追記していく予定です。

編集者の伊藤さんには取材から編集までお付き合いいただきました。誠にありがとうございました!

Written by

The University of Tokyo, Ex-Microsoft, Visual Studio; “Nur das Leben ist glücklich, welches auf die Annehmlichkeiten der Welt verzichten kann.” — Wittgenstein

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