Nov. 2; SaaS, Tech Bubble

Taka Umada
8 min readNov 3, 2015

毎年恒例の SaaS 調査の結果公表。今年は 305 社からの回答。中央値の職場規模が 47 人。

$1 ACV を獲得するためのコストは中央値で $1.18 (つまりコスト回収に14ヶ月かかる計算)で、2013 年の $0.91、2014 年の $1.07 から結構上がってきているなぁと。チャネルが混みすぎてる印象はあります。CAC の payback period は中央値で12ヶ月ですが、分散しすぎてて(3年以上って…)。

Part 2 で面白いのは unit economics leaders のところでしょうか。フィールドセールスが強いところが unit economics も秀でてるというのはちょっと意外。vertical で小さなスタートアップ、かつ upsell による ACV が良い所のほうが unit economics もいいというのはまあわかりますが…。

上記の SaaS 調査のインフォグラフィック。

Workable の CEO による SaaS の財務計画をたてる上で重要なポイント。たとえばビジネスに必要なコストの一覧と revenue model の考え方、マーケティングからキャパシティ、シーズナリティなど、項目が包括的で、見出しを読むだけでも勉強になるのでおすすめです。十分に読めてないんでまた読み返します。

最近大型の調達をした Workable のインタビュー。ギリシャ創業してたとは! あとやっぱり payback period が一年にないじゃないと、というのはそうですよね。

SaaS スタートアップ向け 20 のスライド。半分ぐらい読んだことありますが、たしかにどれも良いスライドでした。

SaaS スタートアップが犯しがちな 10 個の間違い。「あまりに経験のないマネージャーやVPを採用する」「安くあり続けてしまう(高給取りを雇わない)」「マイクロマネジメントを長期にしすぎてしまう」「Box や Salesforce という前職の出身に騙されて採用してしまう」「必要な場所に移動しようとしない」「容赦がある」「早い段階で up-market に行かない」「ワークしてるものにフォーカスしない」「弱点を補強する」「アドバイスをもらいすぎる」

LTV の計算がだいたい間違うことについて。通常は 1/c (c: churn rate) で残月数が出るので、それに monthly revenue * gross margin % をかければ LTV になりますが、それだとスタートアップが間違えるのは、まず churn に対するデータが十分に集まってないというところ。なので、 (1 — (1 — c)^36)/c という計算式の方が良いのでは、というのが一点目。そして資本のコストがあって、それを 3% / month と加味して年間約 30% ぐらいの資本コストとして計上したほうが良いのでは、というのが二点目。あとは gross margin を高く見積もりすぎる傾向にあって、mature な SaaS だと 80% とされているけれど、スタートアップは -10% して 70% ぐらいで計算したほうが良いのでは、というのが三点目(もし 70% と思ってるなら 60% ぐらいにしたほうがよい)。

span of control ではなく Graicunas formula を使ったマネジメント数の話。direct single relationship と direct group relationship と cross relationship が存在するtので、マネージャにとって管理すべき関係性をk計算すると n(2^(n-1) + n-1) で計算できて、指数的に増えていって span of control の平均と言われている 7 に達するとそのマネージャーが管理すべき関係性は 490 になる、みたいな面白い話。

我々は Tech Bubble ではなくて Tech Bust の中にいるんだ、バリュエーションが上がっているのはlate-stageで「debt」のような投資スタイルが流行しているからだ、という Sam Altman のブログが今朝出てました。

バブルではない証拠として、Tech IPO の件数が例年よりも少ないこと、S&P の Tech P/E がすべての S&P P/E よりも低いこと、mid-stage の調達が(例外を除いて)難しくなっていることが挙げられてます。実際投資額ベースで見ても、シードの金額は正直上がってないですしね。

で、バブルのように見える問題はやっぱり late-stage。他のところでも何度も言われてますが、VC 以外からの資金流入が多くて、Sam の指摘はそれが「投資」ではなく debt に似た形式であること。この deal structure が debt のようになってるというのはなるほどなぁと。具体的には 2x liquidation preference と 3x liquidation cap とかの条件で投資してるのを何個か見た、とのことです。そうするインセンティブは VC としての課税控除を保つためとか、0% interest rates のため、という分析。なので interest rates が上がったらパブリックマーケットも結構下がるんじゃないかという予測。

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Taka Umada

The University of Tokyo, Ex-Microsoft, Visual Studio; “Nur das Leben ist glücklich, welches auf die Annehmlichkeiten der Welt verzichten kann.” — Wittgenstein