次のスタートアップのパーティー会場を探して:「社会に良い影響を与えれば儲かる」という流れと”社会的インパクト投資”

Taka Umada
20 min readMar 27, 2016

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シリコンバレーのパーティーは終わった」と聞くことが年末年始にかけて増えました。私も「Winter is Coming」に備えてメトリクスと利益に関するスライドを 1 月 4 日に出しましたが、その後次々とシリコンバレーのスタートアップのレイオフのニュースを聞くようになっており、まさに冬の到来を感じています。

しかし一方で 2016 年に入っても大型のファンドが次々に組成されています。例えばここ一ヶ月だけでも Andressen Horowitz は約 1,700 億円、Peter Thiel 率いる Founders Fund は約 1,500 億円、老舗 Accel Partners は約 2,300 億円のファンドを組成したというニュースがありました。

また日本国内でも VC や CVC、大学などから新しいファンド組成のニュースが毎週のように飛び込んできます。

ファンドを作った以上、どこかに投資してリターンを得なければなりません。そこで投資家は次のスタートアップ、次の投資先、いわば「次のパーティー会場」を探して様々なことを考えています。

次のプラットフォーム

その文脈で、次に伸びるプラットフォーム探しが続いています。

たとえば、a16z の Chris Dixon は、2016 年 2 月に書いた What’s Next in Computing? という記事の中で、「ソフトウェア+ハードウェア」が次のコンピューティングだとし、車、ドローン、IoT、ウェアラブル、VR、AR などを次に来るプラットフォームの候補にあげています。また、そうした次のコンピューティングを可能にする新素材や技術なども投資領域として挙げられるかもしれません。

過去のプラットフォームを振り返ってみれば、PC はメインフレームの数十倍の顧客を獲得しました。さらに ARM ベースのモバイルは、Intel ベースの PC の約 3–5 倍のインストールベースを持ち、2020 年までに世界の 80% の人間がスマホを持つと言われています。

これまで次のコンピューティングプラットフォームは、前の時代のプラットフォームに比べて数倍の規模を持つ顧客を新たに開拓してきました。

http://www.slideshare.net/a16z/mobile-is-eating-the-world-2016

そこから推測するに、モバイルの次のプラットフォームはさらにそれを数倍にするものになるはずですが、既に一人一つ以上のコンピュータ(モバイル)を持つようになっており、世界人口以上に伸びるプラットフォームが期待されています。そうしたなかで IoT や VR などに期待がかかるのも当然なのかもしれません。

しかし IoT がもしスマホによって操作されスマホに依存するのであれば 、IoT を使ったサービスにお金を支払う人はスマホの人口以上には伸びず、VRや AR はせいぜい一人一台であるどころか現状は PC かモバイルのサブセットになるという懸念もあり、果たしてインストールベースが世界の人口以上に伸びるのか?という疑念も呈されています。

そうした状況もあるので、残念ながら次のプラットフォーム探しはまだ決め手が出てきていないというのが感覚としてあります。

それに「群衆のまねをすれば、平均に回帰することになります(平均的なパフォーマンスしか上げられない)」という、 Warren Buffett の相棒である Charlie Munger の言葉にあるように、皆が狙っているプラットフォームを狙うのは得策ではないように思えます。

プラットフォームではなくテーマ

そうした「どのプラットフォームが伸びるのか」や、あるいは「どのプロダクトが伸びるのか」(例えば VR だと Oculus なのか他なのか等)といった議論のほか、産業でのスタートアップハードテックのスタートアップなどの議論もあります。

そうしたなかで「社会的インパクトを与えられる(一部の)スタートアップは儲かる」という、ある意味当然のようでいて、しかし余り言及されてこなかったように思える文脈が起こりつつあることを感じています。 よくよく考えて見れば、社会の問題を解決するということは、そこに大きなお金が発生する可能性があり、そこから利潤が発生する、というのは当然のように思えます。実際に IT の普及を通して、情報の流通という社会の課題が解決され、それは大きな利潤を生んでいます。

実際、元 Lerer Hippeau Ventures で、現 RRE のパートナーである Steve Schlafman は、社会的インパクト投資を水で薄めたようなものと異なると断った上で今後の投資の方針として「解決するに値する問題に取り組んでおり、世界をより良くする会社にしか投資しない」という姿勢を明らかにしています。

通常、社会的インパクト投資 (Social Impact Investing) とは「特に恵まれない人たちを中心とした、住民の健康、福祉、生活の質の促進。思想の表現の自由の奨励。あるいは寛容の育成」を追求する投資と言われますが、今回はより広義に社会的なインパクトを持つ投資全般に関して扱い、社会的インパクトを求める動きとスタートアップの関係性について、以下の 3 つのカテゴリに分けて簡単に解説したいと思います。

  1. 投資領域の変化
  2. VC 投資家の裏にいる人達の変化
  3. フィランソロピー、社会起業の文脈との接近

1.投資領域の変化

VC は投資する先を探すときにアクセラレーターの Demo Day から探すことも多く、アクセラレータが採択するテーマはある意味 VC 投資のテーマの先行指標になります。

そして最も尊敬されているアクセラレータの Y Combinator では、「ぜひ応募してほしい」というスタートアップの領域を Requests for Startups という形で発表しており、2008 年ではかなり IT 寄りだったテーマが、最近は様々な社会的な課題 — 教育、健康、雇用、恵まれないコミュニティ、多様性、都市問題 など— を含むようになってきています。(※ Requests for Startups のトピックは予告なくときどき変わります。最近は Cities of Future が追加されました)

さらに Y Combinator は NPO への支援を 2013 年から開始しており、こうした Y Combinator や前述の RRE の動きからも、徐々にスタートアップへの投資の文脈で社会的インパクトが重視されてきていることを感じます。

イベントや周辺環境も徐々に変わりつつあります。Slush は Impact というトラックを設け、Slush Impact Global Accelerator Program を開始しました。また評価の高いアクセラレータである MassChallenge も、スタートアップのインパクトを評価軸の一つにして様々なスタートアップを支援しています。さらに GitHub といったスタートアップまでもが、Social Impact 部門を設立して、社会問題の解決を支援しようとしています。

日本では孫泰蔵さんのミスルトなどが、そうした世界的なインパクトを重視するスタートアップ支援組織に当てはまるのかもしれません。

また最近 Kyu の傘下に入った IDEO は、その発表の時に The Next Big Thing in Design という記事の中で、今後のデザインの領域として、貧困や加齢、食料や政府のサービス、都市に関することなど、社会的な問題をデザインで解決する、という宣言がなされています。

様々な団体の投資分野

このように様々なスタートアップ関係者が社会的インパクトに対して目を向け始めている流れがあるのではないかと思います。

2.VC 投資家の裏にいる人達の変化

次に VC のさらに裏側を見ていくとその流れがよりはっきりと見えてきます。

VC のビジネスは基本的に、LP (Limited Partners) からお金を預かってスタートアップへ投資し、スタートアップの Exit を通してお金を増やして LP に返す、という金融ビジネスです。VC はお金を増やす責任があるとともに、LP の意向をある程度聞く必要があり、スタートアップは VC を理解するために LP と会って彼らのニーズや視点を見たほうが良い、と言われるほどです。

LP には通常、基金や年金、機関投資家や富裕層を中心とした個人投資家などが含まれます。(下の表の通り)

LP にとって VC への出資はポートフォリオのほんの一部であり、ヘッジファンドなどにも資金運用を任せていたりします。

The Business of Venture Capital

なので VC だけではなくヘッジファンド側の動きも一緒に見てみると、LP が今何を気にしているかがある程度見えてくると考えられるのですが、実は彼ら LP もインパクト投資をここ最近気にし始めている風潮が見られます。

たとえば昨年、世界最大の資産運用会社である Blackrock がインパクト投資の金融商品を始めました。私は金融畑の人間ではないので業界内でそれがどういう評価を受けているのかは分かりませんが、最も利潤にうるさく賢い人達である Blackrcok でそのような動きをしている、ということは、その領域で十分に儲かるということではないかと推測しています。また Glodman Sachs は Social Impact Fund を 2013 年に設立し、インパクト投資のアドバイザリーを行う Imprint Capital を昨年買収しています。

こうしたインパクト投資への注目はスタートアップの文脈ではエンジェル投資家にあたる、富裕層の個人投資家からの需要とも言われています。また 1980 年代以降に生まれたミレニアル世代は、社会貢献への意識が高くインパクト投資に対する需要も高いと言われており、そうした顧客に対する金融商品という面もあるのだと思います。

実際、Bill & Melinda Gates 財団は 2016 年の年次レポートで、エネルギーと”時間に関する貧困”が世界の問題であり、その解決策はイノベーションである(The solution is innovation, and you can help)とし、エンジニアや起業家、科学者やソフトウェア開発者に、問題解決の手助けを呼びかけています。つまり、こうした問題を解決するにはテクノロジとイノベーションが必要とされているという認識があり、テクノロジとイノベーションといえばまさにスタートアップが得意とする領域であるとも言えるのではないでしょうか。

(ちなみに Blackrock は昨年、テクノロジが世界に与える影響に関しても年末に簡単なレポートを出しているので読んでみると面白いと思います)

The Topic We Should All Be Paying Attention to (in 3 Charts)

3.フィランソロピー、社会起業家との接近

もとより社会的インパクトを重視していたフィランソロピー(慈善活動)側も変わりつつあります。これまで慈善活動は寄付や助成が中心でしたが、投資や利潤を求めていく動きがあるそうです。実際、様々な投資機関が設立されており、ほどほどのリターンでも良いので、社会的インパクトを重視して欲しい、という指針を聞くこともあります。

このあたりは以下の書籍によくまとまっています。

一方で、大企業の VC である Corporate Venture Capital (CVC) が社会的インパクト投資の色を強めつつある、というレポートも出ています。CVC はもともと事業シナジーを中心にしたリターンを目的とした投資が中心となる部分も多く、その延長線上で CSR と入り交じることで、社会的な貢献と事業シナジーの両社を追い求める活動へとシフトするところもあるようです。特に CVC は金銭以外の自社のリソース(社内の専門家や商品、サプライチェーンやマーケットへのアクセス等)を提供できます。

こうした CVC からスタートアップが支援を受けるためにも、スタートアップ側が社会的貢献をそのミッションに掲げるのは、 単に社会に貢献するだけではなく、自社に利する行為となりえます。

また前述のとおり、Y Combinator は NPO への支援も開始していますし、Bill Gates や Mark Zuckerberg をはじめとした多くの成功した起業家が慈善活動に注力している流れを見るに、スタートアップとフィランソロピーの流れが徐々に合わさる部分が出てきていると言えるのではないでしょうか。

なぜスタートアップも社会的インパクトを考えるべきなのか

このような流れの中で、スタートアップは本当に社会貢献を意識すべきなのでしょうか。

個人的にはそれはスタートアップのミッション次第だと思います。

ただ、それに関連してひとつ面白い指摘を紹介します。スタートアップは反直感的だと言われますが、その中の一つでよく言及される反直感的なことが「困難な問題に取り組むほうが、スタートアップは簡単になる」というものです。2014 年に Stanford University で行われた How to Start a Startup の第一回では、Y Combinator の President である Sam Altman が以下のように述べています。

ミッション志向の会社の三つ目のアドバンテージは、会社の外にいる人々がよりあなたのことを手伝ってくれようになることです。困難で重要なプロジェクトでは、平凡なプロジェクトよりももっと多くのサポートを得ることができます。スタートアップを始めようとしたとき、簡単なスタートアップよりも困難なスタートアップのほうが簡単に創業できるのです。これは反直感的なことの一つであり、人々はこれを理解するのに長い時間を要します。ミッションドリブンであることの重要さは何度言っても足りません。だから最後にもう一度言わせて下さい。平凡な企業、つまり既存のアイデアをコピーしてほんの少しの新しい洞察を加えたような企業は、人々を興奮させず、また成功するためのハードな働きをチームに引き起こすことができません。(※太字は訳者によるもの)

Y Combinator の設立者である Paul Graham は、スタートアップの創業者との会話の中で、「限りない時間があったときに、そのスタートアップがどんな大志を持つ会社になれるか」を話すことを好むと言っています。私もよくエンジェル投資家から、「創業者のビジョン以上の会社にはなれない」という話を聞きますし、人生に余裕のあるエンジェル投資家の多くは、世界に大きなインパクトを残そうとしている創業者しか応援しないという話も聞きます。

だから仮に技術シーズを元にしたスタートアップでも、そうした世界に与える恩恵を最終的に考えていく必要があり、 そうしたビッグピクチャーを描く中で、社会貢献という側面はいずれ考えざるを得ない部分があるのではないかと思います。いずれそれを考えざるを得ないのであれば、最初からある程度考えておいたほうが、他人からの支援を受ける上でも利益を受けることができ、結果的に自社の成功にも利するのではないでしょうか。上述の CVC の社会的インパクトへの関与の動きも、『他人からの支援を受けやすい』一つの例として挙げられると思います。

幸い人類はわずか数十年で絶対的な貧困の数を劇的に減らし、さらに AI やロボットを中心としたオートメーション化などで更に世界的な問題を解決できるものと思われます(そう信じています)。そうした中で、イノベーションの牽引役であるスタートアップが貢献する部分は、個人的にはとても大きいのではないかと思っています。

Has the world overlooked a major achievement? (https://www.weforum.org/agenda/2016/01/has-the-world-overlooked-a-major-achievement/)

本当にスタートアップでやるべきか

もちろん、すでに共通認識のある大きな社会的課題そのものに、スタートアップという極小の資源しかない組織が直接アプローチするのは余り良い道だとは思えません。

大きな社会的問題の解決は国や自治体の役目であることも多いでしょうし、あるいは NPO という形態を取ったほうがより目的を簡単に達成できるかもしれません。スタートアップはあくまで手段の一つであり、スタートアップを始めるときというのは、特定の問題に対して強い思いを持ち、スタートアップを始める方法でしかその問題を解決できない、というときのみである、と Sam Altman は述べていますが、取り組もうとしている課題が果たしてスタートアップでしか解決できないのかを考える必要はありそうです。

また多くの問題は解決されずに残っている相応の理由があるので、最も尊敬されている VC の一つである Sequoia Capital がよく問うと言われている、「スタートアップの Why Now の問い」に答える必要も出てきます。

それに課題そのものについても疑いを持つ必要があると思います。IT やインターネットが出てきた当初も、社会には情報流通の問題がある、と感じていた人はごく僅かだったのではないでしょうか。殆どの人が、紙でやり取りをするのが当然と思っていて問題とは感じていなかったり、あるいは解決するのは不可能だと信じていたのではないかと推測します。

しかしそれは解決できる課題で、一大産業をつくり上げることが出来ました。だから、まだ誰もが課題だとは思っていない名状しがたい課題を見つけること、Peter Thiel 的に言えば「秘密」を見つけることがスタートアップが社会的インパクトを出すためには重要ではないかと思います。

実際に、利益をどうやって出すか全くわからない、大学生のストーキングツールとして始まった Facebook が、実は世界中の「つながりたい」という課題を解決することができ、今や世界中の人々をつなげるだけでなく世界中にインターネットを張り巡らせて世界をより良くしていこうとしている様を見るに、そうした社会問題の解決はスタートアップにも可能なのだと(ある種の楽観性をもって)信じさせてくれます。

そしてそうした隠れた課題への解決策は、実はエネルギーや貧困といった大きな課題に貢献できる解決策で、最終的に大きな課題を解決できるのかも知れません。そんな隠れた課題を先に見つけて、ハードなテクノロジや、今はまだおもちゃのようなもので解決しつつ、利潤を得ていくことが次のスタートアップのムーブメントを牽引していくのではないかとすら思えます。

次のトレンドを考える上で

次のトレンドを捕まえることができれば、スタートアップとして成功することが可能です。しかしトレンドや大きな課題を考えることは難しいことです。だから Bill Gates など、世界の最先端で様々な情報を得ながら考えている人の課題意識を参考にしつつ、以下のようなことから始めるのが良いのではないかと思います。

頭が良い人達の近くにいる

頭の良い人達が週末にやっていることが、未来の普通になる、と言われています。まさに PC は週末にオタクたちが集まっていた趣味の集まりが広がり、世界を変えました。数年前の Bitcoin にもそうした活況があったと聞いています。

もしかしたら現在におけるそれは合成生物学なのかもしれませんし、Maker ムーブメントなのかもしれません。いずれにせよ、自分が尊敬できる、頭の良い人達のそばにいることは、ある意味未来を見通す上で重要な活動になると思います。

それに仮にそのトレンドが来なくても、そこで培った友情やスキルは代えがたい何かになるのではないかと思います。

仲間と議論する

Zuckerberg は Facebook を作っているころ、今後の世界がどのようになるかを議論していたと言います。

ぼくは早くに会社を作ることには否定的だった。大学にいた頃、世界が進んでいく方向について友達とよく議論していて、それが起きるところを見ることはもっと気にかけていた。ぼくたちはこれを作ったけれど、会社になるとは考えていなかった。ただ、最高だと思ったから作っただけだった

Zuck が大きなビッグピクチャーを描けるようになったのも、Harvard での仲間との議論があってこそではないでしょうか。そしてその議論は、Facebook が進む方向性に影響を与えたのではないかと思います。

情熱が持てなくてもまずは何かを始める

もちろん最初から特定の領域に情熱を持つのは珍しいことで、やり始めてから気づくことも多いと言われています。それに、意識だけが高くなって手を動かさなくなると意味がありません。

きっと世界の課題を解決できるのは、Bill Gates が呼びかけた人たちである「エンジニアや起業家、科学者やソフトウェア開発者」、つまり何か新しいものを作れる人々、作っている人々だと思います。

だからまずは自分が最高だと思う狂ったアイデアをベースにしたプロジェクトを仲間と一緒に始めることが重要ではないでしょうか。大きく考えることを忘れなければ、たぶんビジョンは後からついてきます。

最後に

ネオシュンペーテリアンの Perez の理論と指摘によれば、第五の技術革新である IT は、今やデプロイメント期に入ったと言われており、通常デプロイメント期には多くの分野でその技術が使われるそうです。IT を中心したスタートアップはまだまだ続いていくはずで、それは今後社会的な意義のある分野でも多く使われうるものだと思います。

次の投資先として社会的な問題の解決を標榜するスタートアップが選ばれ、今後スタートアップが世界の課題を解決するのにより大きく貢献すれば、またスタートアップのエコシステムは一回り大きくなるものだと思います。この動きがどこまで続くかは分かりませんが、一つ今感じている動きとして共有させていただきます。

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Taka Umada

The University of Tokyo, Ex-Microsoft, Visual Studio; “Nur das Leben ist glücklich, welches auf die Annehmlichkeiten der Welt verzichten kann.” — Wittgenstein