「イノベーション」と「起業家精神」を分けて考える

Taka Umada
3 min readApr 1, 2016

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「20歳のときに知っておきたかったこと 」などで有名な、Stanford Technology Ventures Program の Tina Seelig は、その著書「夢をかなえる集中講義」の中でインベンションサイクルというものを「ひらめきを形にするまでのサイクル」として提唱しています。

  • 想像力:存在していないものをイメージする力
  • クリエイティビティ:想像力を駆使して課題を解決する力
  • イノベーション:クリエイティビティを発揮して独創的な解決策を編み出すこと
  • 起業家精神:イノベーションを活用してユニークなアイデアを形にし、ほかの人達の想像力をかきたてること
インベンションサイクル:http://stvp.stanford.edu/blog/imagination-entrepreneurship/

ここでなるほどなと思ったのは、イノベーションと起業家精神を分けているところで、それぞれの違いは以下のように説明されています。

イノベーションと起業家精神という言葉を混同し、イノベーションは社会に大きなインパクトを与えなければならないと主張する人が少なくありませんが、これは間違いです。混乱しやすいのですが、研究室やガレージから出ることなく終わった革新的アイデアーーイノベーションーーは少なくありません。事業化の目処が立たなかったり、資金が手当できなかったり、文化的な障壁があったり、その理由はさまざまです。ただし、世にでるだけの憩いがなかったとしても、革新的であり、イノベーションであることに変わりありません。

起業家精神はイノベーションを広めていくときに必要で、起業家精神の行動と姿勢は「粘り強く続けること、周りの人を巻き込むことが必要」(前掲書)、ということになります。

こうした言葉の意味の分割は有効そうなので、うまく使い分けていきたいところです。例えば「イノベーションは好きだけど、起業家精神的な活動には向いてない」など。

Drucker の企業家精神に対する分別とは少し違う印象ですが、イノベーションそのものと、イノベーションの担い手(企業家精神)を分けているという文脈では似ているかも知れません。

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Taka Umada

The University of Tokyo, Ex-Microsoft, Visual Studio; “Nur das Leben ist glücklich, welches auf die Annehmlichkeiten der Welt verzichten kann.” — Wittgenstein